「匠の蔵」誕生物語( 4 )極上のカレー皿
いよいよ酒器から食器に進出!
「匠の蔵」プロジェクトは焼酎・日本酒・ビールと、3年連続「酒器」でヒットを飛ばしました。4年目を迎えた2008年、委員の顔ぶれも入れ替わってきたなかで「次は酒を離れ、女性に選ばれる食器をつくってみよう」と、新たなスタートラインに経ちました。
食器シリーズの第一弾として選ばれたのは「カレー皿」。過去に有田焼のラーメン鉢がヒットしたという経験がありました。もうひとつの国民食である「カレー」をもっとおいしくする皿というテーマで、匠の蔵の商品開発チームは、形状の検討をすることになりました。
こだわり抜いた独特のフォルム
「カレー皿」に特有の条件とはなんでしょうか。皿にライスやカレールーを盛りつけるとき、女性が片手で安定して持つことができ、ずっと持っていても重くないこと。そして、粘度のあるカレーがすくいやすく、最後まできれいに食べられること。そして収納時は、食器棚の中できれいに重なること…等々。
挙がった条件を1つ1つ検討し、人間工学的な見地からカレー専門店の料理人、フードコーディネーター、カレー好きや主婦の意見を取り入れて、繰り返し施策と試食を行いました。
納得のいくかたち、それはまず日本で古来から用いられてきた美の比率・白銀比に基づく飽きの来ない形状です。 CADを使って、皿全体の厚みを極限まで薄くするという試みも行われました。これにより強さと軽さを両立し、手に持ったときに「あっ!」と違い実感できる、心地よい薄さに仕上がっています。
深さや大きさにもこだわりました。「極上のカレー皿」は、一般的なカレー皿よりもやや深めで、スープカレーあるいはパスタなどさまざまな料理バリエーションに対応できるよう、多用途性を追求しました。また、内側の大きな曲面は、どこですくっても、すくいやすく、またカレールーが中央に集まりやすく、最後まで美味しく食べられるようにできています。

デザイン案も豊かな発想で
形状が決まると、柄のコンペに入ります。カタログには載せきれない倍以上のデザインが集まり、そのなかから絞り込む作業が行われました。
カレー皿の柄には、酒器以上のアイデアやこだわりが集まりました。子ども、女性、男性と使う人の幅が広いため、クラシック、モダン、エレガント、カジュアルまでカテゴリー別にバランス良く取りそろえ、また手法もカラフルな上薬や銀彩など有田の新しい人気技法を取り入れたものも加えています。
また、さまざまなカレーや料理を盛りつけた時の見栄えにもこだわりました。盛りつけたときに料理とお皿が同時に美しく見えるよう、リムに沿った柄の分量を調節したり、食べ終わった後に皿の底からかわいいキャラクターが現れるものまで、窯元個々の楽しいアイデアが盛り込まれました。
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※次回は、いよいよ新作「贅沢なシチューボウル」誕生秘話へと続きます。